身近な人から薬物使用について相談されたら

もし、あなたが身近な友達や大切な人から相談を持ちかけられた場合、
どう対応するかを考えるきっかけにしていただけたらと思います。
使用している人がどんな状況でいるのか、
どのようなきっかけで薬物を使用しているのか、
その背景をご紹介します。
薬物使用は精神的・身体的な健康課題であると同時に、
「生きづらさ」のひとつのサインでもあります。

イラスト しらいしろう

どれくらいの人が薬物を使っているの?

HIV陽性者へのアンケート調査では、約2分の1の人がこれまでに何らかの薬物を使ったことがあると回答しました。セックスのときに使うことが多いことがわかっています。

HIV陽性者がこれまでに使ったことがある薬物は、多い順に、ラッシュ、ぼっき薬・ED薬、ゴメオ、脱法ドラッグ、覚せい剤です(現在入手できないものも含まれています)。
セックスのときに使ったことがある人は8割以上、気持ちをアップさせるために使ったことがある人は5割いました。

薬物を使いはじめるきっかけは?

好奇心から、相手に誘われて、気分をアップさせるために…。HIV陽性者が薬物を使うおもなきっかけは、誰もが経験するかもしれない場面ばかりです。

インタビューに答えてくれたHIV陽性者からは、「おしゃれなイメージだったし、仲間も使っていたから」「好きな相手にすすめられたから」「憂うつな気分を吹き飛ばせるから」といった薬物使用のきっかけが語られました。なかには、知らないうちに飲み物などに入れられて使ってしまっていたという人もいます。

薬物を使うこととHIV/エイズにどんな関係があるの?

薬物を使用していると、セックスのときにコンドームを使うことがむずかしくなり、性感染症にかかりやすくなることがわかっています。

HIVに感染している人は、通院を続けられなくなったり、薬物とHIV治療薬との相互作用による健康への影響があったりするので、注意が必要です。

薬物使用について相談されたらどうすればいい?

身近な人が薬物を使っているとき、本人が話せる場所を増やすことが、あなたにできることのひとつです。

安心して薬物について相談できる場所があります。本人が問題ない・必要ないと思っていても、相談機関の情報を渡しておくと、いつか本人が必要だと思えるようになったときにきっと役立ちます。
もしあなた自身が迷ったり不安になったりしたら、電話相談などを利用して、気持ちを整理してみましょう。相談機関はいろいろあるので、自分にあったところを探してみるのもいい方法です。

HIVと薬物使用についてもっと知りたい

くわしい調査結果のグラフや、相談先のリストなどが載ったパンフレット「身近な人から薬物使用について相談されたら」をPDFファイルで読めます。